熊本県の山奥に位置する、限界集落槻木。

ここで「TSUKIGIみつまた」が誕生しました。

目次

  1. 熊本県球磨郡多良木町槻木集落
  2. 自生している“みつまた”を発見
  3. みつまた和紙を使用し、卒業証書を制作
  4. みつまたの枝に注目 新たなプロジェクトへ
  5. 「TSUKIGIみつまた」の誕生
  6. 日本らしいものづくりの心が詰まった「TSUKIGIみつまた」

熊本県球磨郡多良木町槻木集落

熊本空港から車で2時間半弱、宮崎県との県境の山あいに位置している多良木町槻木(たらぎまちつきぎ)。

田畑や家が点在し、公共交通機関は朝夕1往復の乗り合いタクシーのみ。人口の50%以上を高齢者が占める、“限界集落”です。

豊かな自然と清らかな川、温かな人情に溢れた、まさに日本の原風景が残るこの地区で育ったみつまたを使用しています。

自生している“みつまた”を発見


林業を営む椎葉袈史(けさし)さんが、山仕事中に偶然みつまたと出合いました。

獣害の被害に合わず大量に自生する、不思議な植物(みつまた)を調べてみると、和紙の原材料ということが分かり、地域の産業として生かせないかと和紙作りに取り組むことに。

購入すると何十万もかかる紙漉きの道具。竹などを使って一部自作し、自宅での紙漉き作業を奥さんと始めました。

和紙作りは奥が深く、そして大変です。

山から材料を集め、皮むきと煮詰めを行い、砕いた後に紙漉き作業を行います。すべての工程を行うと、とにかく時間がかかります。その上、真冬に水中で行う紙漉きは、体に厳しく鞭を打つ作業でした。

みつまた和紙を使用し、卒業証書を制作

袈史(けさし)さんが多良木町の教育長を務めていた時に、このみつまた和紙を使い、卒業証書の制作を始めました。

2011年、相良村四浦和紙保存会に依頼した卒業証書が始まりでしたが、自宅で一枚ずつ手作りすることに。多良木町の4小中学校と多良木高校の卒業生分は、300~400枚にもわたります。

「大変だが嫌だと思ったことは無い。」と、話す袈史(けさし)さん。一枚一枚厚みの違う、透かし入りの卒業証書の制作を行っています。

教育長退任後、本格的にみつまたを地域の産業にするため、全国各地の和紙職人のもとへ視察に。

1200年を超える歴史を持つ、福井県「越前和紙組合」へみつまたを提供したりと、槻木みつまたを全国に広めていきました。

みつまたの枝に注目 新たなプロジェクトへ

和紙で使用するのはみつまたの皮のみ。枝の部分は不要なため、処分をしていました。

地域活性化を目的にこの枝の活用方法がないか調べてみるとインテリアやウェルカムツリーなどで使用されていることが判明。

地域の産業としてみつまたを確立させるための新プロジェクトが立ち上がりました。

「TSUKIGIみつまた」の誕生

市場に並ぶみつまたは、海外から大量に輸入したものを脱色し、店頭に卸されています。
真っ白なものだけでなく、ピンクや青に色をつけた華やかなものも並びます。

「TSUKIGIみつまた」では、自然本来の色味を活かした白さを追求しました。
オリジナルの加工技術を模索し、機械に頼らない手作業ならではの味わい深さにこだわり、生産を行っています。

日本らしいものづくりの心が詰まった「TSUKIGIみつまた」


自然本来の美しい形とボリュームが自慢です。
ふわりと広がった枝は、大自然の中でのびのびと育った「TSUKIGIみつまた」だからこそ。

自然素材には、その土地ならではの風土が現れると思っています。
「TSUKIGIみつまた」から、田舎ならではのおおらかさや力強さ、そして手作業が生む繊細さを感じていただけると嬉しいです。

たくさんの想いを込めて仕上げた、みつまたをぜひ、一度手に取ってください。