春になると黄色く可愛らしい花を付けるミツマタ

丸いボンボンのような形をしたミツマタの花は「森の妖精」と呼ばれることもあり、開花時期のミツマタ群生地は多くの観光客でにぎわいます。

そんな人気の植物「ミツマタ」ですが、一説によると毒性のある植物でもあるとか。。。

今回はそんなミツマタの毒性について、文献の情報などをもとに解説していきます。

目次

  1. ミツマタという植物について
  2. ミツマタに毒性があるって本当?!
  3. 文献からわかる、ミツマタの毒性
  4. 毒性のミツマタも食べなければ問題なし!(笑)

ミツマタという植物について

みつまた花

ミツマタはジンチョウゲ科ミツマタ属の落葉低木。冬になれば葉を落とし、3月から4月の短い期間で、白や黄色の丸く可愛らしい花を付けます。

名前の通り、枝が3つに分かれて伸びているのが特徴で、その繊細で美しい枝の見た目から、ミツマタの枝は生け花や華道で用いられることも多いです。

樹皮の繊維は和紙や紙幣の原料としても使用されており、日本で古くから愛されてきた植物の一種だと言えます(原産地は中国南部、ヒマラヤ地方とのこと)。

全国のいくつかの山では、数百から数千のミツマタが密集して自生する「ミツマタ群生地」が確認されており、開花時期のミツマタ群生地ではまるで妖精が飛び交うかのような幻想的な光景が見られ、SNSでも話題となっています。

また、最近ではミツマタの枝を乾燥させてインテリアアイテムとしてお部屋に飾る人も増えてきており、Instagramのおしゃれな投稿でもよく見かけるようになりました。

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ミツマタに毒性があるって本当?!

サイズ、ボリュームの大きいものを選ぶ

黄色の花は可愛らしく、3本に分かれて伸びる枝には優美な印象がある。そんなミツマタですが、実は巷では「ミツマタは毒性がある植物」と言われていることをご存知でしょうか?

登山などで山に登ると、時期によっては草花のほとんどが剥げていて、土壌の大部分がが露(あらわ)になってしまっている場所がありますが、これは、鹿をはじめとする草食の野生鳥獣による影響が一つの原因と言われています。

しかしそんな場所でも、ミツマタの木だけはほとんど影響を受けず、健全に成長している様子をよく見かけます。

また、先述の通りミツマタの皮は和紙や紙幣の原料として使用されているのですが、ミツマタが原料として選ばれている理由には、繊維が細かく丈夫で光沢があるという理由に加えて、「虫食いが起きにくく、安定した品質で和紙を生産できるから」という理由もあると言います。

こういった理由から、ミツマタには毒性があると考えられています。

文献からわかる、ミツマタの毒性

科学的なデータや具体事例などは確認できていませんが、様々な文献、書籍の中で、ミツマタに毒性があるという記載を確認できています。

ここではミツマタの毒性について触れている文献を4つご紹介します。

『書の和紙譜』(著:竹田 悦堂)

出所:Amazon(https://x.gd/z78UU)

ミツマタに関する記載(引用)

三椏の皮に一種の毒素を含んでいる。兎や鹿もその皮をかじらない。(中略)防虫になる。

『毒毒植物図鑑』(著:川原勝征)

出所:Amazon(https://x.gd/U09uE)

ミツマタに関する記載(引用)

クマリン配糖体を含み、誤食すると口内炎や胃炎を起こす。

『毒のある植物』(著:難波恒雄)

出所:Amazon(https://x.gd/pncIH

ミツマタに関する記載(引用)

中毒症状 葉や実を食べると汗がにじみ出てきて、腹痛がおこり、血の混じった下痢をします。ひどくなると体がこわばり、体力が弱ってしまいます。

『明治農書全集 第5巻』(著:岡光夫)

出所:Amazon(https://x.gd/AUxiK

ミツマタに関する記載(引用)

みつまたは耕作中最も虫害の少なきものなり。

けだし葉皮の液汁中特殊の成分を有し、虫これを嫌忌するによるなるべし。

毒性のミツマタも食べなければ問題なし!(笑)

今回はミツマタに毒性があるかどうかについて、ネットの情報や文献をもとに解説していきました。

ちゃんとした文献の中でミツマタには毒性があるという記載を複数確認することができたので、おそらくミツマタは毒を持った植物だと言えるでしょう。

基本的にミツマタを食べるということはないので大丈夫だと思いますが、ミツマタが身近にある方はくれぐれもご注意ください。

ただ、毒性を持っているとはいえ、ミツマタは非常に美しい植物です。当サイトではミツマタの枝を職人が丁寧に加工して作るインテリア「TSUKIGIみつまた」を販売しています。

精巧さと色合いの美しさを、ぜひともお確かめいただけたらと思います。

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